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他方、家族がプラスの財産を残しており、借金の金額よりもプラスの財産の金額の方が大きい場合には、相続放棄をせずに財産も借金(金銭債務)も相続するという選択を採ることが普通です。
この場合、借金(金銭債務)は、各相続人が法定相続分に応じて分割承継することになります。仮に、遺言や遺産分割協議がない場合でも自動的に分割されます。
遺言や遺産分割協議で、これと異なる内容で債務の負担割合を決めても(例:相続人のうちの一人に債務全額を負担させる)、相続人間では有効ですが、債権者に対しては、その遺言や遺産分割協議の存在を根拠に支払いを拒絶することはできません。債権者は、この遺言や遺産分割協議の内容に従う義務はないので、各相続人に法定相続分に応じた金額を請求することができます(ただし、債権者が自らこの内容を認めて従うのは自由です)。
この説明だけではわかりにくいと思いますので、具体例で考えてみます。
亡くなった方の借金の額が100万円、あなたの法定相続分が50%である場合を例に考えると以下のとおりとなります。
① あなたの債務の額は50万円になります。遺言や遺産分割協議がなくても、自動的に50万円になります。
② 債権者があなたに100万円を返還しろと言ってきても、あなたは50万円しか支払わないと言うことができます。
③ 遺言や遺産分割協議で「あなたが100万円全額の返済をし、他の相続人は免責される」と決めたとしても、債権者は他
の相続人に法定相続分だけ請求することができます。他の相続人は、「自分は免責されているから、あなたに全額請求
してください」ということはできません。
④ ③の遺言や遺産分割協議がある場合、債権者がこれを認めてあなたに対し100万円全額の請求をするのは自由です。
なお、以上の議論は金銭債務のような分割可能な債務に関してのみあてはまるものです。登記移転債務や物の移転債務のように分割ができない債務について、相続人全員が不可分的に相続することになります。
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