従業員支援プログラム(EAP)

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人事労務管理・労働問題の法律相談

従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)という言葉を聞いたことがありますか?

一般的に、従業員支援プログラムといえば心療内科医、産業医、カウンセラー等と連携したメンタルヘルスケアを想起される方が多いと思われますが、近時、リーガルサービスとしての従業員支援プログラムが注目を集めています。

リーガルサービスとしての従業員支援プログラムは、従業員向けの法律相談窓口を常設することにより、従業員の抱える様々な問題の解決を促進を図るものです。

多くの企業では、従業員がプライベートな法律問題に遭遇した場合、上司や同僚に対し相談をする過程で最終的には顧問弁護士に連携をして解決を図るというケースが多く、当事務所の弁護士も同様のルートでのご相談を何十件も担当してきました。

しかしながら、必ずしも全ての事案で弁護士に連携できているわけではないでしょうし、相談内容によっては知人(上司・同僚)であるからこそプライベートな相談をすることができないというケースもあるでしょう。

結果的に弁護士に連携できた事例であっても弁護士にたどり着くまでにかなりの時間を要している事例もあり、その間の従業員の先の見えないストレスは会社にとってもマイナスになっているはずです。

また、問題の本質が法的な問題である場合には、カウンセラーや産業医によるケアには限界もあります。

もし、このような従業員と弁護士の連携をあかかじめサービスとして明確にしたうえで、従業員にプログラムの存在と利用方法を告知しておけば、従業員は円滑に法的問題に対処することが可能になり、従業員のメンタルヘルス向上、ひいては会社における業務パフォーマンス向上につなげることができます。

御社が従業員のために真に役に立つ福利厚生を安価に導入したいと考えるのであれば、弁護士によるEAPプログラムの導入も選択肢の一つとしてご検討されることをお勧めします。

当事務所におけるEAPサービスの骨子は以下のとおりです。

役員、従業員のプライベートな法律相談受付の受付

役員を含む従業員から弁護士への直接の法律相談受付を実施します。
従業員は会社を通すことなく、直接、当事務所へ相談を持ち込むことができます。
法律相談は電話、ご来所、メールのいずれでも対応いたします。
また、1つの案件について3回までは相談者が法律相談料を負担することはございません。
※法テラスの利用条件に該当する方につきましては、法テラスの無料法律相談制度を利用して当事務所にて相談を受け付けることになります。

産業医やカウンセラー等の他のEAP機関との連携

従業員支援プログラムは、できる限り多角的なケアであることが望ましく、医師、カウンセラー、他の専門家等のサービスとともにご利用されることで一層効果的なものになります。さらに、各専門家間で連携できる体制を構築しておけば、実際の支援プログラム実施時には利用者である従業員のご負担を軽減することができます。

従業員による匿名の告発窓口の設置

会社内部でのパワハラ、セクハラ、労働法令違反、不正行為などを従業員が認識した場合、当事務所が匿名での告発を従業員から受け付けます。告発を受け付けた後は、会社へ内容を連携し、必要に応じて弁護士が調査に協力します。
会社内部で問題が発生し一部の従業員に認識されることになった場合でも、ほとんどの従業員は自ら会社や上司・同僚を訴えることまでは望まず、結果として問題は放置され、会社は問題の把握すらができないことになります。しかしながら、たとえ小さな問題であっても放置すれば、将来、会社にとって致命的な損害につながるリスクがあり、会社としては、いかなる問題であっても可能な限り把握しておくことが重要となります。
仮に、従業員からの匿名の告発窓口を設けておけば、会社が問題把握する端緒として機能するため、迅速な対応が可能になり、致命的な損害が発生するリスクを低減できます。

EAPサービスは、顧問契約のオプションサービスとして付けることもできますし、EAPサービス単独で契約することも可能です。月額料金は、従業員(その他サービスの対象者)の想定人数等により個別にご相談させていただいております。
EAPサービスのみの契約の場合の最低価格は月額1万0500円とさせていただいております。

従業員支援プログラム Q&A

従業員からの法律相談の内容は会社に報告されますか?

従業員から受け付けた法律相談の内容はもちろん、法律相談を実施した事実も含めて、会社には一切報告されません(弁護士は法律上守秘義務がありますので、会社に報告することは法的にも許されません)。ただし、会社または上司・同僚と連携することが適切な解決につながる事例で、ご相談者からの同意が得られる場合には、必要に応じて担当部署に報告・連携することがあります。

従業員からの法律相談申込は会社を通してする必要がありますか?

法律相談申込は会社を通す必要はなく、従業員から直接当事務所にご連絡いただく形で受け付けております。申込時にも会社に知られることはないので、この点でも相談内容が会社に漏れることはありません。

個人事業主・会社以外の団体・地方公共団体であってもEAPサービスを受けられますか?

原則として対応可能です。EAPサービスは、通常の会社だけでなく、一般社団法人、学校法人、NPO法人、地方公共団体、各種の組合等様々な団体においても有効なサービスとなります。是非、導入をご検討ください。

学校法人ですが、教員などの従業員だけでなく学生の相談まで対応していただけますか?

原則として対応可能です。相談者の範囲については、お客様のご事情をヒアリングの上、個別の契約にて設定させていただきます。

顧問契約を締結せずにEAP契約のみを締結した場合、会社の問題も相談していただけますか?

EAPサービスは、あくまでも役員・従業員の方々のための法律相談サービスですから、会社の問題の法律相談は対象外です。会社の問題についてご相談を希望される場合には、初回無料法律相談にお申込みいただくか、通常の有料法律相談または顧問契約の締結をお願いします。

法律相談ののちに訴訟提起などの事件の受任をしてもらうことはできますか?

当事務所でご相談者のお役に立てる案件であれば、受任は可能です。ただし、この場合には、別途、弁護士費用が発生します(顧問先企業の従業員の方には顧問契約と同等の条件での割引を実施します)。

窓口への告発制度を利用した場合、告発者の身元は会社に判明しますか?

原則として告発は匿名ですることを予定しておりますので、会社に判明することはございません。ただし、告発者自身の判断で実名での告発をすることもできます(会社による調査に協力する意思のある方は、実名での告発をお勧めします)。この場合には、告発者の同意を得て、会社に告発者の氏名も伝えることがあります。

相談できない問題はありますか?

契約者である会社等を相手とするご相談についてはお受けできません。必要に応じて匿名の告発窓口をご利用いただくことになります。

この記事を書いた人

2003.3 慶應義塾大学法学部法律学科 卒業
2006.11 旧 司法試験合格
2007.4 最高裁判所司法研修所 入所(旧 第61期)
2008.9 司法修習 終了 日本弁護士連合会登録 東京弁護士会入会 黒田法律事務所(東京虎の門) 入所
2009.2 露木・赤澤法律事務所(東京虎の門) 入所
2013.1 福岡県弁護士会北九州部会へ登録替 北九州市内(西小倉駅前)に小倉総合法律事務所設立
2018.4 海事補佐人 登録

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