本文へスキップ

Kokura Law Office 福岡県弁護士会 北九州部会 西小倉駅徒歩2分

TEL 093-571-8723

803-0811 北九州市小倉北区大門2丁目1-8コンプレート西小倉7F

民事訴訟の法律相談HEADLINE

控訴に伴う強制執行停止決定申立

金銭の支払請求等の訴訟を提起をされ第1審で敗訴(一部敗訴を含む)した場合、支払命令に加えて仮執行宣言が付されることがほとんどです。

仮執行宣言というのは、判決が確定する前であっても、たとえ控訴した場合でも、いつでも強制執行(預金や不動産の差押え等)をすることができるという強力な権限を与えるものです。判決をこれ以上争わない場合には仕方がないのですが、控訴して争う場合には、第1審判決は確定せず控訴審で逆転できる可能性があるにも関わらず、相手方は強制執行ができるのです。

企業の場合、銀行預金の差押えをされれば資金繰りに窮することになりますし、多くの企業間契約では差押をされたときには契約を解除できる旨の条項が含まれているため、取引先を大量に失うリスクもあります。この場合の損失はたとえ控訴審で逆転勝訴しても簡単には回復できません。

このようなリスクを回避するために相手方の強制執行を一時的に停止する制度が強制執行停止制度です。
控訴に伴う強制執行停止決定申立の流れは以下のとおりです(弁護士が法人を代理して手続を行うケース)。

1 控訴申立をなす。
・控訴をなす場合には、改めて訴訟委任状と資格証明書が必要です。
・控訴状の宛名は上級裁判所になりますが、控訴状の提出は第1審の裁判所になります(民事訴訟法286条)

2 第1審裁判所に対し強制執行停止決定申立をなす(民事訴訟法404条1項3号、民事訴訟法404条1項)
・控訴申立とは別に委任状と資格証明書が必要です。印紙代は500円です。
・控訴申立と同時に強制執行停止決定申立をしない場合には、控訴裁判所に対し申立をすることになります。

3 裁判所から立担保命令が出る。
・担保金の額は第1判決で認容された額の8割程度です。

4 立担保命令を出した裁判所の所在地を管轄する供託書に担保金を供託する(民事訴訟法405条)。
・上記1、2とは別に、この段階でも委任状と資格証明書が必要になります。
・法人が供託をする場合、委任状で確認請求をしておくことも重要です(意味がわからない場合は弁護士に聞いてください)

5 強制執行停止決定を出してもらう。
・立担保命令を出した裁判所に供託書を持参すると強制執行停止決定が出されます。

6 念のため強制執行停止決定書をファックス等で相手方に送付しておく。
・強制執行停止決定が出ても、相手方が銀行預金差押申立なせば差押手続を事前に停止することはできないという問題がありますが、決定を知りながら申立をなせば損害賠償や弁護士の懲戒の問題になることを通知してけん制します。
・執行裁判所に預金差押を発令しないよう上申書を提出するという対応をとる弁護士もいるようですが、裁判所はこれを正式に受理することはできません。

7 控訴審で和解する場合には、和解条項で担保取消に対する同意条項を必ず入れる。
・この条項を入れないと、後々の担保金取戻し手続が面倒になります。

8 事件が終了したら担保金を取り戻す。
・担保金取戻しの際は、改めて委任状が必要です。
・4で確認請求をし法人の代表者に変更がなければ印鑑証明は不要です。

控訴に伴う強制執行停止決定申立は、緊急性が高く迅速な対応が求められますが、手続が複雑であり委任状(合計4通必要です)等の書式も少ないため、たとえ弁護士でも実務経験を有していなければ(通常は、企業側の訴訟対応をしたことがなければ経験ができない案件です)、適切な対応が難しい案件です。

当事務所の弁護士は、控訴に伴う強制執行停止決定申立にも十分な業務経験を有しております。適任の弁護士が見つからず、お困りの方は是非当事務所にご相談ください。

バナースペース

小倉総合法律事務所

〒803-0811
北九州市小倉北区大門2-1-8
コンプレート西小倉7階

代表弁護士 川上 武志
(福岡県弁護士会北九州部会)


TEL 093-571-8723
FAX 093-571-8724
info@kokura-lawoffice.com

受付時間
平日  9:30~17:30
土日祝 不定期に営業

※受付時間内でも弁護士が不在にしている場合がございますので、ご了解ください。