本文へスキップ

Kokura Law Office 福岡県弁護士会 北九州部会 西小倉駅徒歩2分

TEL 093-571-8723

803-0811 北九州市小倉北区大門2丁目1-8コンプレート西小倉7F

任意後見契約HEADLINE

概要

あなたやあなたの家族が病気や事故により判断能力が低下したとき、適切な契約行為や訴訟行為を行うために、法定後見
制度
を利用して、成年後見人・保佐人・補助人の選任を申し立てることができます。

しかしながら、実際に判断能力が大きく低下してから成年後見人等を選任するとなると、その時点では本人の真意を確認する
ことが難しいため、本人の希望に沿った選任がなされる保証はありません。

誰でも、将来自分の判断能力が低下したときには、せめて自分が信頼できる人間に財産管理を任せたいと思うでしょう。

このような本人の希望に合わせて、本院が正常な判断能力を有するときに、将来に備えていわば自分の後見人をあらかじめ
契約により指定することができる制度が「任意後見契約に関する法律」に定められた任意後見契約です。

任意後見契約を利用すれば、将来(判断能力が低下したとき)の財産管理を信頼できる人間に任せることができますし、将来
の家族の負担を軽減することもできます。

このように、任意後見契約は、自分と家族のための老後の準備として重要な意味を有しており、「老い支度」、「老後の安心
設計」の一種であるといわれることもあります。超高齢化社会となった我が国においては、今後、ますます重要性が高まる制
度といえます。

任意後見契約の流れは以下のとおりです。

 1 判断能力が正常なときに、信頼できる人間(親族や弁護士等の専門家)との間で、将来の財産管理を任せる契約(任意
   後見契約)を公正証書により締結する。
   ※契約の時点では、任意後見人の権限は発生しません。
   ※任意後見契約は登記されます。

 2 認知症等の症状が現れた段階で、本人や親族等の請求により家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立をする。
   ※任意後見監督人は、任意後見人とは別に選任される者で、任意後見人の職務を監督します。

 3 任意後見監督人が選任されたときから、任意後見人が契約により定められた範囲内でその職務を行います。


以下のケースでは、任意後見契約の利用が役に立つかもしれません。
当事務所では、お客様のご要望に合わせて、任意後見契約以外の方式を提案したり、任意後見契約と他の方式を組み合わせ
たりする等、最良の方式をアドバイスさせていただきます。また、当事務所は小倉公証人合同役場と同一のビル内に事務所
を構えているため、公正証書の作成業務も円滑に進めることができます。まずは、遠慮なくご相談ください。


 □ 将来、認知症になる不安があるが、その時には信頼できる人間に財産管理を任せたい。

 □ 将来、認知症になったときに家族にできる限り迷惑がかからないよう準備しておきたい。

 □ 将来、判断能力が低下しても、今まで築いてきた資産をしっかり保全して、子供たちに承継させたい。


任意後見契約Q&A


Q.任意後見契約と法定後見制度の違いはなんですか?

A.任意後見契約は、判断能力が正常なときに、契約により、将来に備えてあらかじめ後見人を選定しておく制度
  であり、老後の準備活動の一種です。これに対し、法定後見制度は、実際に判断能力が低下してから、家庭裁
  判所に後見任等の選任を申立てる制度です。
  任意成年後見制度を利用すれば、自分が信頼できる人間に後見人になってもらえますし、認知症等を発症した
  際には、後見人の選任を円滑になすことができるため、ご家族の負担を軽くすることができます。
  また、契約により後見人の権限の範囲をある程度自由に設定できるため、この点でもご自身の意思が尊重され
  ることになります。
       

Q.任意後見人にお願いできる行為にはどのようなものがありますか?

A.任意後見人に対しては、あなたの「生活、療養看護及び財産の管理に関する事務の全部または一部を委託し、
  その委託に係る事務について代理兼を付与する」ことができます(任意後見契約に関する法律第2条1項)。
  たとえば、あなたの判断能力が低下した際に、老人ホームや介護施設との間の契約締結行為、医療費捻出のた
  めの不動産の管理・処分、預貯金の払い戻し、要介護認定の申請等の行為をお願いすることができます。

Q.任意後見契約には、どのような類型がありますか?

A.任意後見契約には3つの類型があると考えられています。
  ① 将来型
    将来に備えて任意後見契約を締結しておき、実際に、判断能力が低下した際に、後見監督人選任の申立て
    をなす方式です。法律が予定している基本的な類型になります。
  ② 移行型
    任意後見契約締結時に財産管理等を委託し、将来、判断能力が低下した際に、代理権付与のために後見監
    督人選任の申立てをなす方式です。
  ③ 即効型
    任意後見契約の締結と同時に、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申立をなす方式です。本人の意思を
    尊重しつつ法定後見と同様の効果を生じさせることができますが、前提として契約締結時には本人が正常
    な意思能力を有していることが必要となります。

Q.任意後見人には誰でもなれますか?

A.任意後見人(任意後見受任者)の資格に制限はありませんが、実際に受任者として契約するのは、ご子息など
  の親族か法律の専門家である弁護士のケースがほとんどです。
  なお、配偶者やご兄弟等を任意後見人とする場合には、実際にその方が任意後見人として職務を行うときには
  高齢になっている可能性が高く、その方の負担が重くなることもありますので(職責を果たせなくなっている
  可能性もあります)、慎重に検討する必要があります。

Q.任意後見人の報酬はどのように決まりますか?

A.任意後見人(受任者)の報酬は、任意後見契約により決定されます。ご親族等が任意後見人(受任者)となる
  場合には無報酬とすることも多いですが、特別の行為(訴訟、示談、遺産分割協議)等によりご本人の資産を
  増加させた場合には、増加額等に応じて特別の報酬を与えるということもあります。
  また、報酬自体は無報酬としつつ、その職務に報いるために財産の一部を遺贈するというケースもあります。
  他方、弁護士等の専門家を受任者とする場合には、法定後見の場合と同じく月額2万円~の報酬を定めること
  が多いと思われます。

Q.任意後見契約に必要となる費用を教えてください。

   A.①公正証書作成手数用…任意後見契約は公正証書により締結する必要があるため、契約締結時に公証人に対する手
      数料・郵便切手代金・登記費用等が合計約1万6000円必要になります(金額は、契約書の枚数に応じて増減
      します。)
     ②ご本人の判断能力が低下した際に、家庭裁判所へ後見監督人選任の申立をする費用として合計5000円程度の費用
      が必要となります。この外に、申立書に添付する戸籍謄本、住民票、医師による診断書、後見登記事項証明書等
      を取り寄せる費用も自己負担となります。
     ③家庭裁判所により選任された後見監督人には、ご本人の資産の中から後見監督人の報酬が支払われます。報酬額
      はご本人の資産状況等に応じて家庭裁判所が決定しますが、通常月額1万円~3万円程度です。
     ④任意後見契約により任意後見人の報酬額を定めた場合には、当該報酬額が発生します。
     ⑤任意後見契約の作成を弁護士に依頼した場合、契約作成費用等の弁護士費用が必要となります。


Q.任意後見人以外の者を後見人とするために、通常の法定後見申立をなすことはできますか?

A.任意後見契約が登記されている場合には、家庭裁判所は特に必要がある場合でなければ法定後見開始の決定を
  出すことはありません(任意後見契約に関する法律第10条)。
  たとえば、任意後見人(受任者)が老齢・病気・死亡等によりその職責を果たせないときには法定後見の申立
  が認めらると考えられますが、親族の個人的な利害関係等では認められないと考えられます。

Q.任意後見人が適切に職務を行ってくれるか不安なのですが。

A.任意後見人は、もともとあなたが信頼して選任した方ですし、その職務については家庭裁判所が選任する任意
  後見監督人を通じて家庭裁判所の監督を受けることになるため(任意後見契約に関する法律7条)、職務の適
  正は厳格に担保されることになります。
  また、仮に、契約締結後に任意後見人を信用できなくなったのであれば、契約を解除することもできますし、
  任意後見監督人選任後も、家庭裁判所に対し任意後見人の解任申立てをなすことができます。
  もちろん、任意後見人が不正にあなたの資産を使い込んだりすれば、刑事責任を追及されることになります。

Q.任意後見監督人の申立てをすることができるのは誰ですか?

A.任意後見契約締結後に本人の判断能力が低下した場合には、家庭裁判所に対し任意後見監督人の選任を申立て
  る必要がありますが、この申立てをなしうるのは、ご本人、任意後見人(受任者)、配偶者、4親等内の親族
  とされています。ご本人以外の者が申立をなす場合には、原則として本人の同意が必要となります。

Q.申立時に家庭裁判所に対し任意後見監督人を推薦することはできますか?

A.家庭裁判所に対し任意後見監督人を推薦することはできます。ご本人の意思の尊重という観点からは、任意後
  見監督人を積極的に推薦すべきともいえます。ただし、家庭裁判所はこの推薦に拘束はされませんので、個別
  の事情に応じて、他の者が任意後見監督人に選任されることはあります。

Q.私は本人の実子ですが任意後見監督人になれますか(私を推薦してもらうことはできますか)?

A.任意後見人自身や、ご本人の配偶者・親・子・孫・兄弟姉妹は任意後見監督人になることができません(任意
  後見契約に関する法律第5条)。従いまして、仮に、これらの方々を任意後見監督人に推薦しても、家庭裁判
  所に選任されることはありません。
 

Q.任意後見契約は解除できますか?

A.任意後見監督人が選任される前であれば、公証人の認証を受けた書面によっていつでも解除することができま
  す。仮に、契約の一方当事者が合意しない場合でも、解除の意思表示のなされた書面に公証人の認証を受け、
  これを相手方に送付してその旨を通告すれば解除は可能です。
  任意後見監督人が選任された後は、正当な理由があるときに限り、家庭裁判所の許可を受けて、解除すること
  ができます。また、任意後見人が任務に適しない事由が認められるときは、本人、親族、任意後見監督人は任
  意後見人の解任を請求することができます。

バナースペース

小倉総合法律事務所

〒803-0811
北九州市小倉北区大門2-1-8
コンプレート西小倉7階

代表弁護士 川上 武志
(福岡県弁護士会北九州部会)


TEL 093-571-8723
FAX 093-571-8724
info@kokura-lawoffice.com

受付時間
平日  9:30~17:30
土日祝 不定期に営業

※受付時間内でも弁護士が不在にしている場合がございますので、ご了解ください。