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一昔前の一般的な弁護士は、たとえ独立志向があっても、まずはできる限り良い事務所で修行することにより技術を磨き、それから独立開業するという流れが普通であった。実際、私自身がこのコースをたどっている。
しかしながら、弁護士人口の増加のため既存事務所に就職できず、やむを得ずに弁護士登録と同時に独立開業するという弁護士も多くなっている。これを弁護士業界では「即独(ソクドク)」と呼ぶ。
即独すること自体は、決して悪いことばかりではない。既存の事務所に就職できても仕事ができるようになるかはその人次第だし、うまく就職できても1年程度でクビにされて行き場がなくなる弁護士もいるのであるから、結果的には即独する方が良かったと言えるケースもあるだろう。また、勤務弁護士は給料をもらって安定しているので必死に働くモチベーションが低くなりがちだが、即独弁護士は生きていくのに必死だから小さな仕事であっても一生懸命に頑張る。この気持ちの違いだけでも、10年後には大きな差が出るはずだ。
ただ、北九州で開業してから感じたのは北九州で即独するのは、本当に厳しいと思う。
特に、これから北九州で即独するのはよく考えた方がいい。理由は以下のとおりだ。
第1 弁護士会費が高い。
北九州市で弁護士登録をする場合、日本弁護士連合会の会費と福岡県弁護士会の会費を負担する。この日弁連と県弁護士会の二重構造はどこに行っても同じだ。しかしながら、北九州部会に所属すれば、さらに部会費の負担を強いられる。入会時の入会金はもちろん毎月一定額の部会費を負担しなければならない。要するに三重構造だ。勤務弁護士なら仕方がないと思えるだろうが、資金を切りつめたい即独弁護士にとっては、この三重構造の負担は決して軽くないと思う。
第2 新人弁護士に公的な事件が配転されるのは登録から約半年後。
通常、即独弁護士にとって仕事獲得の大きな柱は、弁護士会所定の名簿順に配転される国選弁護事件や法律相談業務となるはずだ。しかしながら、北九州部会で新人弁護士がこれらの名簿に登録されるのは登録から約半年後になる。破産管財等の裁判所から配転される業務も当然新人には配転されない。したがって、北九州の即独弁護士は、ほかに仕事のあてがないのであれば約半年もの間、事務所のランニングコストすらねん出することができないのである。他の地域では、登録後すぐに公的な仕事が配転されるところもあるため、これは大きなディスアドバンテージだ。
第3 北九州市の弁護士人口も飽和状態である。
北九州の弁護士に話を聞くと、そろそろ北九州の弁護士人口も限界だという話ばかり聞く。私自身は、入会したばかりだし、仕事の半分は前事務所でご縁があったお客様からのご依頼案件なので、まだ大きな実感はないが、少なくとも若手の弁護士の収入が激減していることは間違いないようだ。また、新たに弁護士を採用する事務所も、大半は固定給を支払わない「ノキ弁」や月額20万円程度の低額な給与のみを支給するケースがほとんどだそうだ。要するに既存の事務所も不安定な経営を強いられているため、新人には冷遇せざるを得ないということだ。これはどこの地域でもある程度同じかもしれないが、即独をするならもっと有利な地域はいくらでもあると思う。
北九州は治安が悪く排他的なイメージもあり、もともと即独するには人気がない街かもしれないが、これから即独をする場合には相当な覚悟が必要になることは間違いない。
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