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□ 慰謝料
□ 死亡慰謝料の相場
(財)日弁連交通事故相談センター東京支部の民事交通事故訴訟損害賠償算定基準によれば、死亡慰謝料の目安は、以下
のとおりとされています(被害者本人分と遺族固有の慰謝料の合計額)。
① 一家の支柱 2800万円
② 母親、配偶者 2400万円
③ その他 2000万円~2200万円
この金額は、あくまで目安なので、被害者側の過失割合、被害者の年齢、家族構成、加害者側の事情等によって金額は
変わってきます。また、この金額は、裁判の場合に認定される金額なので、裁判をせずに示談交渉をする場合には、半
額程度の金額を提示されることが普通です。
□ 内縁関係にあった者の慰謝料
被害者と内縁関係にある者(事実上夫婦として生活をしてきたものの籍を入れていなかった者)については、法律上、相
続権がないので被害者自身の死亡慰謝料を相続することはできません。
もっとも、裁判実務上、内縁関係にある者は、自分自身の慰謝料を請求することはできると解されています。被害者に引
き取られ事実上被害者の子供として生活してきた者(事実上の養子)についても、相続はできませんが、固有の慰謝料を
認める判例があります。
ただし、このような事例で、ご自身で請求・示談交渉するのは難しい場合もありますので、弁護士に相談してから対応を
判断されることをお勧めします。
□ 相続人間で示談方針が一致しない場合
通常、加害者(保険会社)との間で示談交渉をする場合、相続人が複数いるのであれば、加害者(保険会社)は相続人の
うちの一人を代表者として示談交渉を進めます(他の相続人から委任状を取得します)。
しかしながら、加害者(保険会社)は、原則として相続人全員一括でなければ示談には応じないので、相続人の一人が音
信不通であったり、相続人間で示談方針が異なれば、いつまでたっても示談が成立せず、損害賠償金を受領することがで
きなくなってしまします。
この場合は、加害者(保険会社)とよく相談して個別に示談ができるよう交渉することになりますが、それにも応じても
らえない場合にはどうすればいいのでしょうか?
結論としては、訴訟提起をして自己の相続分のみを請求すればいいことになります。
最高裁判決によれば、被相続人が死亡した場合、損害賠償請求権等の金銭債権は、遺産分割を待たずに法定相続分に応じ
て分割して相続されることになるので、各相続人が単独で請求することはもともと自由なのです。加害者(保険会社)と
しは、後々、相続人間の紛争に巻き込まれるのを避けるため、全員の合意を求めているのですが、法的には、全員の合意
がなければ支払を拒めるというわけではないため、やむを得ない場合には訴訟提起を検討されることをお勧めします。
□ 相続税
交通事故の損害賠償請求権を相続したり、賠償金を受領した場合の税務問題については、交通事故と税務をご確認くださ
い。
□ 年金逸失利益
年金受給者の死亡事故については、年金逸失利益をご確認ください。
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